社長の言いつけ通り、涼はちょこちょこ
うちの会社に顔を出す


体調もよさそうだ


試運転も経過がよく、少し製品を作ることになった


作業の仕方をビデオに収めるのは、北村の仕事

桐川さんと田島は、自社ラインの整備へ

田中と俺は、強面達から、注意点とかを教えて貰う

作業するのは、涼と新しくきた管理の菅原



2人とも、早い!!!



製品の出来もよかった





その日、午後から涼は自社へ戻り

1週間たつが、こちらにこなくなった








「佐々木さん、竹山さんに襲われそうになって、大変だったんですよ~」



菅原は、案外口が軽いらしく

竹山と何があったのか教えてくれた

聞いてもいないのに…


「竹山さんは、子会社に飛ばされたし
佐々木さんは、現場から外れることになったんですよ~」

「何で!?被害者なのに!!」

「佐々木さん、竹山さんを蹴り飛ばしたんで
それは、正当防衛でも処分対象なんだそうですよ
こちらでも、喧嘩したそうですし?
N社では、結構な大問題でしたよ」


菅原が強面達に呼ばれて、席を外した

田島がため息漏らす


「はあ あのバカ…」

「愚痴大会でも開こうか!?」


バカップルの発案で、本日居酒屋に

集合することになった


「私、ビール!!」


おい… 


「大丈夫?」 小声で聞いた

にかっと笑って親指を立てた



「今日は、愚痴大会だからね!!」



北村が発表した

「涼、現場から外されたんだって?」

「菅原君めぇ!!お喋り!!」

「本当なのか?」

「まあね」

「で?どこの部署に飛ばされたんだ?」

「社長の秘書」

「「「……」」」

「なんで、黙るの!?そりゃ似合わないと
自覚してるけどさ… 
愛人とか噂されて、迷惑だし
本当、罰ゲームだよね!!」

「それ 出世じゃねぇの?」

「は?社長の選んだチャラチャラしたスーツ着て、ニコニコついて回るのよ?
面倒くさい!
本当に嫌がらせだと思う」

見た目と違い、こういうこと言う
深刻に愚痴を聞く気で集まったのに
拍子抜けした

「作業着のがいいってか?」

「当たり前じゃない!!動きやすいもん!」

「ねぇ!?秘書って、何するの?」

「電話取り次ぎしたり、予定の管理とか
あと… 社長、英語まるでダメで通訳とか
社長の何でも屋みたいな仕事だよ」

「涼…英語できるの?」

「朱里のお父さんがアメリカの人だからね」

「朱里、ハーフだったのか!?」

「あれ?知らなかった!?」



背が高いし、なんか日本人離れした
顔だとは、薄々感じてたけど……


「格好いいな…」