有瀬家の朝と違い

佐々木家の朝は、穏やかだ


4人で食事して、着替えて

そのまま車で晃喜と福来を送った


母ちゃん達が泊まりに来て、手伝いをしてくれても、こんなに穏やかじゃない


奇跡か?



会社に行くと、すぐにバカップルからの
質問責め


「どうだった!?」

「なにが!?」

「恋の予感とか!発展とか!」

「あのなぁ…俺は、恋愛より子育てなんだよ
まぁ 息抜きさせてもらって、助かった」

「有ちゃんと涼、良い感じなのにねぇ
何、この残念な脳味噌
思考回路、おかしいでしょ」

「ナツ、それ!
有瀬も涼も、自分の幸せ後回しにして
気づいたら、1人だぞ?
有瀬、子供のことを思うなら
母親が必要なんじゃね?」

「俺、そんなに余裕のある人間じゃねぇんだ
子供達の母親は、祐来だけだ」


祐来が亡くなった時、この2人にどれほど助けて貰っただろう

祐来の名前を出すと、2人はそれ以上

俺に何も言わなかった




たったの4年で、忘れられるはずないんだ





祐来に感じたときめきみたいなのを涼に
感じたことも

涼の弟にヤキモチ焼いたことも


自分の心に秘めておこう