「あ、しのくん。その袋持つよ…!私が買ったやつ運ぶから…!」
「気にするな。このくらい1人で持てる。」
「それじゃあ私が来た意味が…。」
「買い物に付き合うことがそのお礼になってんだよ。」
優しい……。優しすぎる。
その服やいろいろなものを買って、いまはショッピングモールをぶらぶら歩いている。
お礼としてショッピングモールに来てるのに、彼が全部荷物を持っている。
何やってるんだ。
…今日のしのくんなんかかっこ良く見えちゃうの。少しだけだけど胸がドキドキしている。
私は少し前に歩いているしのくんに、
「………しのくんのせいだ。」
と小さな声でいった。


