美姫さんと杏花さん…美姫さんと杏花さん…

覚えた！絶対に覚えた！

なんて、一人で感心していたら、突然後ろから低いトーンで私を呼ぶ声が聞こえた。

「愛美、久し振り。修斗です。」

あ！あの手紙の差出人だ！

「あの、こんにちは！」

元気に挨拶をして、後ろを振り向くと私は声を失った。

なんだ？この父親オーラの全くないイケメンは‼

多分40過ぎてると思うけど、20代前半にしか見えない！

イケメンを前に私は緊張してしまって、美姫さんと杏花さんのことなんてすっかり忘れていた。

高い高い天井にあるシャンデリアの輝かしい光に、眩しいイケメンは似合っていた。