「ねぇ、間宮、そろそろ気が変わったんじゃない?あんな地味子ちゃんの相手しなくたっていいじゃん。」

またこの子か。
確かに凄い美人だとは思うけど、こういう子は男をブランドとしか思ってなさそうだよな。
腕に胸を押し付けてくる菜穂ちゃん。

「…間宮〜。」

猫なで声?的な。
甘ったるい声は好きじゃないんだけど。

「やっぱり地味子ちゃんがいいの?…ねぇどうして?あんな男好きの何がいいの?」
「男好き?」
「そうだよ、さっきもね、ウチに男紹介してって言ってきてさ、それも3人も。きっと今頃、お楽しみ中なんじゃないかな?」

思わず眉間に力が入る。
色々おかしい、よな。
真城さんと菜穂、明らかに接点ないだろうし、男だけじゃなく、女の子も拒絶してるのに、ありえないだろ。

「何企んでんの?」
「え?」
「…あの子に何したんだって聞いてんだ!」

手を思い切り振り払い、叫ぶように問い詰める。
菜穂ちゃんが怯えているのがわかる。
空き教室に菜穂を連れ込み、押し倒す。
胸やら何やらをわざと痛めつけるように触る。

「いった、痛いよ。」
「何だよ、してほしかったんだろ?」
「ちがっ…こんなんじゃ…」
「お前何を俺に期待してやがんだよ!勝手なイメージこじつけんじゃねぇ!」

金髪碧眼。
ただそれだけで、人には良く見られる。
外国の王子様みたいだとか、そんなことは言われ慣れてる。
だけど、俺にはコンプレックスでしかないんだよ。

「…で、真城さんは?」
「ひっく…ん…校舎…裏…。」

俺は急いで教室を出て、校舎裏を目指した。