耳まで赤くしたその顔は、まるで真後ろに立つ郵便ポストのようで、クスリと笑いがこぼれてしまった。

「わ、笑うなっ」

「いや、だって真っ赤だからさ」

「う、うるせえっ!」


必死に言い返す姿に、ますます笑いが込み上げる。


そんな風に吠えられると、もっとからかいたくなるのが人間という生き物だ。

つまり、逆効果である。


「アハハッ、なんでそんな必死なの」

「べ、べつに!必死じゃねーしっ」

「えーー?……………はッ!!わかった!」

「何だよ急に」


私はニンマリと微笑み、その顔のまま、山田と目線を合わせる為にしゃがんだ。