ちなみに、三浦は私の名字で、山田は相手の方だ。


「なんでお前がここに…」

わなわなと、分かりやすく焦る山田。いやいや、それは私が聞きたい。


実は、この山田という男は、私のクラスメイトなのだ。


「ハハハ、偶然だねー」

「お、おう」

ぎこちなく返す山田。


「山田はこんなとこに座り込んで、何してんの?」


尋ねると、山田はますます焦り出した。あれ、私、そんなに変な事聞いた?


「………」

「………」


いくら待っても、山田は何も言おうとしない為、私は取り敢えず彼が握り締めている茶封筒に話を移す事にした。


「ね、ねえ、その封筒、グシャグシャになっちゃってるけどいいの?」

「…!」


彼はハッとしたように手の中を見て、少し落胆した後、ばっとこちらを見て、何故か赤面した。うん。意味がわからない。