「春日井町、春日井町……ここだな」


『春日井町』と書かれたプレートを見上げて確認する。


「この町に、この娘が……」


1枚の写真を懐から取り出し、それに映る一人の女を睨みつけた。


腰までありそうな長い髪を後ろに束ね、セーラー服という人間の娘が着る学舎の制服を身に纏い、誰かと親しそうに話してるのかその顔は可愛らしく微笑んでいる。


一見どこにでもいる普通の明るい女……に見えるが、俺は知ってる。



こいつがこの世で最も危険なやつだってことを。