episode 1 _ 良き終に悪き始。






追風、向風、旋風。
あれは気持ちの良い天気の日だった。

母国と隣国の戦争が終わったと噂を耳に聞いた。
戦争は、あと3ヶ月は続いたはず。

母国にいる母と父が無事であることを願い母国に帰った。

母国である国の名は、アフェナリア共和国。
平和であった世界最古の歴史を司る誇らしい国。

隣国はそれを妬み、戦争の矢を放った。
それを答えようとアフェナリアは戦争という愚かな選択を選んでしまった。

避難された幼い子供達に私も含まれていた。
もう十数年もあっていない。

心を膨らませ、両親の元へ急いで向かった。









そんな心を痛みに撃たれたのはその2日後。

母国はあの誇らしく美しいものは残らずただ荒れ果てたものに
変わってしまっていた。

建物は崩れ果て、地は黒く。
これが、あのアフェナリアなのか。

事実を迎えうるのは、私には怖く恐れるものであった。
恐らく、両親はこの世(ここ)に居まい。

これが、良き終に悪き始だった。


良き終?耳を疑うでしょう。

だがこれは本当に“良き終に悪き始”だ。