儚い瞳の守り人



近くのショッピングセンターに向かう最中、奏愛さんはわたしたちが飽きないように色々な話をしてくれた。

最初の印象は目力が強い怖そうだったけど、やっぱり人は見た目じゃない。


鷹姉もそんな奏愛さんに気を許してきたのか楽しそうに喋っている。



「奏愛さんって色んな資格持ってるんですねー。自立した女性って感じで憧れるなぁ」


「そんなことないよ?わたしはただやりたいことがひとつに決まらなくて色んなことに手を出してるだけ。

この年で定職がないっていうのもかなりヤバイ状況だったのよ」


「へぇー。ちなみにおいくつですか?」

「こらっ。いくら女の子でも女性には年を聞かないのが礼儀」


冗談っぽく鷹姉を嗜める奏愛さんはやっぱり大人。


「さっ着いたよ。まずは下着ね…それから服と……」

「服は買わなくて大丈夫です‼︎」


ここぞとばかりに今まで黙りだったわたしが口を開くと、奏愛さんは目をぱちくりと瞬きさせる。


制服は洗濯すれば何回も着れるし、迷惑は必要最低限に抑えたい。