儚い瞳の守り人



危険度の高い『龍の瞳』と言われている黄金の龍の鱗が刻み込まれたわたしの瞳。


鏡でもう何十回も見たその瞳の奥は鱗と言われればそう見えるかもしれないけれど、わたしにはただの模様にしか見えない。


危険度が高い理由は他の人よりも黄金色の瞳やそれを隠すためのこの眼帯が目立つから。


龍人の鱗に興味を惹かれ龍人を自分のものにして研究したいと言う人が龍人を探し、襲う場合が多いらしいから、目立つということはかなりの危険があるということだ。


その龍人の中でも能力を持っているのは萊だけで、他の龍人は何も能力がないと言うのも、隠された力がないかと研究者の興味を唆るのだろう。



それでもこのことについては一般には秘密裏にされている事柄。

だから情報漏洩でもしない限りわたしたちが襲われることはない。


ここ10年間くらいは危険な目に遭ったことはないし……政府が作った高度なセキュリティ体制の学校とこのホテルのような寮のおかげもあるのかもしれないけれど。



天井が吹き抜けになっている、緑に囲まれたガラス張りの食堂に着いて、長いテーブルの上に名前のプレートを置いた。