儚い瞳の守り人



「不審人物発見。不審人物発見。直ちに捕獲せよ。直ちに捕獲せよ‼︎」


『うぉぉ』と雄叫びのような声を上げながら大量の警察官がわたしたちの方へと向かってくる。



え……?不審人物ってわたしたちのこと?


けど、鷹姉と亜紀兄は別としてわたしたちはちゃんとこの学園の制服を着てるし、不審人物だと疑われる要素なんてどこにもない。


不審な行為なんて、わたしたちはしてない。



状況を察し、警察から逃げるように来た方向を戻って行く萊に、無表情で鷹姉と亜紀兄が続いた。


どういうこと?どういうこと?

鷹姉たちは何が起こってるか分かるの?
わたしには分からないよ。


頭の中に多くの疑問が浮かんで埋め尽くされていって、もう、爆発しそうだ。


全く状況が分からないまま、何もかもがわたしの思考とは別のところで進んで行った。



「……ふっ」

不意に萊が鼻で笑ったような気がした。


「これで確実だな」