儚い瞳の守り人



「お前はもう喋らなくていい」

「……うん」


「俺たちにメールが届いたんだ。話がしたいから外に出ようって。そしたら銃を持った奴に追いかけられて…」


「ーー取り敢えず俺たちは学園の外に出るつもりだったから、鷹姉も亜紀兄も付いてきた方が安全だと思う」

「あぁ分かった。今は裏門に向かってるわけだな」

「そういうこと」


「鷹、お姫様抱っこしてやろうか?」

「いっ、いらない‼︎」


そんなやりとりが横から聞こえてきて、お姫様抱っこされてる自分を恥ずかしく思ったのも束の間、裏門に続く曲がり角を曲がった。


門の前には警察のパトカーが沢山止まっていた。


「良かった…警察だ……」

サイレンが鳴ってからそんなに時間は経ってないはずなのに、もう来てくれたんだ。

警察なら、わたしたちを助けてくれる。


わたしがほっと胸をなでおろすと、1人の警官が拡声器を持って叫ぼうとしている動作が遠目に見えた。