儚い瞳の守り人



小さく2人組が前に走っているのが見えた。

わたしの目では誰か分からないけれど、もしかしたら。



「鷹姉、亜紀兄」

速度を速めた萊が近づくとその2人の姿ははっきりとして、速度を上げて追い付いた萊はその横に並んだ。


「萊斗……っ」

何か言いたそうに顔を歪める亜紀兄の言葉を遮って、また銃声が鳴り響く。


「取り敢えず走ろう」



あれ…そういえば守り人が、山下兄弟がいない。

理緒さん、真緒さん、どちらとも姿が見当たらない。


休みなら第二守り人がいるはずだし、もう完全に辞めてしまったのなら第一守り人がいるはず。




「山下さんたちは……?」


「いないんだ。2人とも」

「は…?」


「分からない。分からないけれど、真緒たちの雇用期間はまだ終わってない。終わってないはずなのに今日の朝から見当たらなくて」


鷹姉は息が上がっているせいもあるのか取り乱した様子で、途切れ途切れに声を出す。