儚い瞳の守り人



ごめんなさい…。


沙鷗をひとりにさせてしまったことに罪悪感を抱いたものの、多分狙われたのは沙鷗じゃなくてわたしだから、わたしから離れてくれて安心もした。


萊が来てくれて良かった……。

来てくれなかったら、沙鷗を巻き込むことになってた。


そんなことあってはいけないことだと思う。

龍人のせいで普通の人間を巻き込むなんて。



この体勢には少し…いやかなり不満ではあるし、それを平然とやってのける萊もどうかと思うけど、まぁ、今は関係ない。


萊がわたしを守ってくれる。

萊は強い。

だから大丈夫。大丈夫だ……。



萊はわたしを抱き抱えてるとは思えないスピードで学校裏の細い道を走り抜けた。

でもその姿に必死さは感じられなくて、寧ろ華麗に、飛んでいるかのごとく走る。


人間離れしてるその走り方。

龍人の中で唯一能力が備わっている龍人。一番普通の人間から遠い存在の龍人。


その龍の肉体の力はわたしが考えているよりもとてつもないのかもしれない。