儚い瞳の守り人



右腕に龍の鱗を持つ亜紀兄は年がら年中長袖だ。


でも龍の鱗があるのは肩付近から肘にかけてだから、夏は長袖を少し腕まくりして寒がりということで通してるらしい。


そして鷹姉も。

左足にある龍の鱗はいつもズボンを履いて隠しているけれど、部屋着は膝より少し短めのスカートだ。


スカートの方が好きなのに外では履けないから、そう言って部屋では毎日スカートでいるらしい。


細くて、太ももには綺麗な筋肉が付いている足を普段出せないというのは勿体無いな……とわたしも思う。



「ねぇ何かあった?最近」

テンション高めにわたしの方へ乗り出してくる鷹姉。

いつもなら『何もないよー』というところだけれど、今日はちょっ事情が違う。


「……え、と。何か珍しく男子に声かけられて、放課後出かけました」


「マジ⁉︎誰々‼︎?って名前言われても分かんないけど」


「沙鷗っていう人なんだけど。株式会社サオウっていうところの社長の息子らしいよ」

「へー。知らない」


「俺はCMで見たことある気がするな」