守り人には強い奴を選び、拳銃の使用許可も出しているというのに、国が俺に小さな抵抗をするのは矛盾している。
だが俺たち龍人や守り人と国は、お互いの弱味を握り合うことによって均衡を保っている。
そしてこれがお互いの妥協点であり、微妙なラインの俺の拳銃使用許可などの出来事は、より大きな組織である国という名の特別危険人物警察本部上層部に取り込まれてしまうのが常。
「太陽が眩しいなぁ」
「そうですね」
「お嬢の瞳みたいだ」
太陽はお嬢の、瞳。
そう心の中で繰り返した後、妙に納得出来た。
俺の役目はその太陽が淀みに侵されないように守ることだ。
周りがどう淀むのかは分からない、けれどそれでも淀みでその輝きが失われないように、光を放てるように俺は必死に彼女を守る。
それが俺の役目であり、俺が望んだ生き方。
全てを賭けてでも彼女を守ろうと、それだけを何も知らない幼いころに誓って、海外へ旅立ったあの時からそれは変わらない。

