儚い瞳の守り人



守り人は警察のように拳銃の使用が認められており、守り人になった直後に射撃訓練を受けることになっている。


だが守り人になった直後、俺の元に射撃訓練の通知は何も来ず、それを何回か上層部に訴えたが取り合ってもらえなかった。

だから俺は特別危険人物警察本部にこの審査会に出て欲しいと直接要求されたこの機会に、相手に交換条件を出した。



「その行動力といい強い意思といい、よくもまぁ未成年のくせにそこまで出来るよ」


「海外で射撃訓練は十分してきましたから……まぁ上が約束を守ってくれればの話ですけど」

「あぁ…」


中麻は神妙な顔つきで頷く。


「普通に考えればあり得ないことでよね。まず俺が高校生で守り人という国の組織の職業に就いてること自体。

そんな何でもありの組織だから、未成年といえど俺の拳銃の使用許可なんて容易い。それでもし許可が出なかったらその理由は多分建前でしょうね」


「要するに……国が敵か味方かの見極め」


「敵の場合、俺の戦力になるものは持たせない。持たせなかったら、いつか襲撃があるのはほぼ確実」


中麻は『出方次第か』と呟いて空を仰いだ。