儚い瞳の守り人



……だから萊に依存しているって言われるんだろうな。


でも萊を心の支えにするのは悪いこと?


わたしと萊はずっと守られる人と守る人という関係で、このままずっと、同じような時間を過ごしていけば良いんじゃないかな。

この関係を変える必要性なんてどこに存在するのだろう。



暗証番号を入力して部屋を出たわたしは、ドアの前にいた。


でもいつまで経っても向かい側のドアは開かない。


何で?

そうは思ったけどただ単に寝ているのかもしれない。


萊も疲れてる時は熟睡してるよね。

そっかぁ。今日は…駄目か。


このまま部屋に戻るのも何となく落ち着かなくて、わたしは自動販売機の横にあるミネラルウォーターを飲もうとロビーに行った。


ロビーも流石に明かりが消えていて、自動販売機の光だけがわたしを照らす。



水を飲みながら、何故か涙が溢れた。

夜だからだ。

夜はどうしても不安定になる。


幼い頃の思い出したくない過去、両親が殺された時の夢を見て、側にいてくれる人も今日はいなくて。


ひとり。

それを感じたからだ。