「あ、それ!しっかりやっとけよー」


なんて、

いつからそんな熱心な先生になったんだか。

今度は私の肩に肘をかけ、

意地悪そうな顔で、覗きこんでくる。


「これ、私の苦手なとこばっかじゃん」


反抗的な私の態度に、修ちゃんは満足そうにうなずいて、


「当然だろ?」


だって。


「無理だよ、こんなに。できないよー」


べそかいて見せても、軽くスルーされた。


「こんくらい出しときゃ、夜遊びできないだろー?」


って、またその話、持ち出すの?


「私のことはいいって。
修ちゃんこそ、合宿なんでしょ?
レイナさん、来るの?」


これ以上色々言われるのはめんどくさいから、

話題を向こうへ振ってみる。


「え?ああ。
すっげー楽しみ」


そう言って見せる笑顔が、

なんか痛々しいんですけど。


「なんだよ。その眼は?
ホントだって。
別にあきらめたわけじゃないし。
焦ってもどうにもなんないって、
自分を納得させたってとこかな」

「おっとなー」

「だろ?」

得意げに胸なんか張っちゃって、

あんなに大人に見えた修ちゃんが、

今はとっても子供に見える。

なんか不思議だ。