「1コだけ、確認しときたいことがあるんだけど?」


「な、何?」


わざわざ改めて聞くから、つい身構えてしまう。

なかなか続きを言おうとしないけど、

そんなに聞きにくいことなのかな?


「望月としては、あの二人がくっついてほしいわけ?」

「そうだよ」


私は何の迷いもなく、余裕の笑顔で答えた。

もったいつけて聞いてくるから、

何を聞かれるのかと思ったら、そんな当たり前のこと。

ドキドキして損した。


「なんでそんなあっさりしてんだよ?
さっぱりわかんねぇ」


そんなこと言われても…。

だって、それが私の本心だから。

だけど、早川にしたら、どうも腑に落ちないみたいで。


「もし…、あの人、レイナさんと一緒に来てた人が、彼氏ならさぁ、
それならお前にもまだチャンスあるってことじゃん!
それなのに、なんで簡単に諦めるんだよ?」


ちょっとムキになってる?

なんか、らしくないな。

詰め寄られた私は、意外と冷静で、黙って首を横に振る。


「フツー、嬉しくないか?」

「ん~。
だって、修ちゃんがかわいそすぎるんだもん」


私の答えに納得いかない様子の早川は、

つい声が大きくなってしまうみたい。


「だからって!
だから?
だから、泣いてたのか?さっき」


半分独り言みたいな言い方で、

私はその質問に答えるかどうか迷った。

早川は、私の涙の理由を知ったからこそ、

理解できないとでも言いたげで。

今度は向こうが首を横に振っている。