「なんか、行きたいとことかねぇーの?」
「藤田の家行きたい…けど…」
いやぁ…
あれほどお金があると考えると
家がどうなのか聞きたいとこだ。
聞きたいっていうか、見たい?
「…え、本気だったの?」
「え?うん、本気」
だって気になるし?
もしや、お前…
お小遣いと…バイトのお金をいっぱい貯めて、今に至るって事か!?
結構…我慢できるヤツだったか。
一人で納得してると
「いいよ、莉希にバレないように行こうぜ」
「え!?私…玄関まででっ…」
家を見たいだけですので…
「何言ってんだよ、返したいものもあるし行こうぜ」
か、返したいもの…
私なんか、貸したっけ?

