君が私を愛し続けた理由



藤田って、変わりようが早いんだね


「これは?」


おふざけで、私が指を指したのは


ニット

暖かいような気がした。


「これいいな」


「へっ?」


まさか、納得するとは思わなかった。


「着てみよ!」


「はっ!?」


え、自分でいいとか言っといて、試着は嫌なの?


お前、どんなヤツだよ!


「お前、そんな格好してんのに、俺こんな暖かそうな服着んの?」


それで迷ってたの?


「うん、だって隣にいたら、私まで暖かそうになるかな〜って!」


「……」


あ、黙りましたね。

無視か!!


「私テキには…ベージュかな


だけど、藤田に似合うかな…」


ははっ!!


無視されたお返しだよー!


あえて、合わなそうな色を選んだのに


「……似合っててどうするんだよ、きみ」


似合ってました。


だけど、赤の方が似合うよ


たぶん。

「私、赤がいい」


「は?お前、ベージュかなって言ってたじゃん」


「藤田には、赤が似合ってんの!」


どうだかわからないけど!!


ベージュよりは…


「はいはい」


「ハイは1回!!」


説教してる気分…


あー、藤田を説教できたら、どれだけ気分がいいんだろうか。