「な、なんで私だけ…」


「俺も買う」


あ、そう…


でもこんな高そうな…


「これでいいか?」


藤田が選んだのは、春色を表してるような、爽やかな色のワンピース。

「これじゃ寒いな」


「ま、待って…」


私、こんなの着たことない…


「なんだ?」

「こんなの着れないよ…恥ずかしすぎる…」


キャラじゃないし。


「え、じゃあ…


これは?」


そう言って、藤田が出したのは


ガウチョパンツ

「上は…店員だ」


たしか…ガウチョパンツって太って見える…やつ…


「お前、ガウチョパンツが太るとか言うやつ気にしてんだろ?」


「えっ…」


やっぱり、藤田はエスパーだ。


「大丈夫。

店員に聞けば、そんなの気にすることねぇ」


それは…そうだけど…


「すいません、こいつに合いそうなコーデお願いします」


「はい」

な、なんか、お父さんみたい…


ていうか、デートみたいなことしてるじゃん。