可愛いなぁ…


「夏稀さんは…好きな人とかいないんですか?」


「へっ!?」


急に聞かれて、ビックリする。


それと同時に、


「やっと、見つけた…」


藤田が私達の近くに来る。


琉斗と藤田。

2人とも、息が荒い。

走って探してたのかな…


「なんかごめん…」


そう言って、たまたま持ってた、タオルを藤田に渡す。


「すっげー、心配したんだからな!2人とも。

ずっと探してんのに、どこにもいねぇーし」


「ふっ…お兄ちゃん、素直じゃないなぁ」


「っ…お前は、黙れ!」


怖いぞ、藤田。


「莉希、ねぇーちゃんと、すっかり仲いいね!」


うおっ!


琉斗!!

お前、莉希ちゃんの事、呼び捨てで呼んでたのか!!


これは、いいムードだな…


「あっ!藤田と行きたいところあったんだった!!ごめん、帰り遅くなると思うけど、ふたりで帰ってて!!

琉斗!ちゃんと、莉希ちゃん送ってあげるんだよ!」


「はっ?!まだ、明るいし…」


「お前、それでも男か?!」


「分かったよ!!」


よし、

「行こっ!」


精一杯、藤田の事を引っ張る。


「お、おいっ!」