「ま、よろしくな!」
あ、笑った。
こいつ笑うとこ、あんまり見たことないな。
「そういえば、お前の弟と莉希 後ろと前だぞ」
体育館の壁に寄りかかって見てる私達。
椅子の数が足りなかったらしく、藤田が勝手に親御さんに席を譲っていた。
怒ることではないけど、私の許可もなく…
なんて心の中で思う。
背伸びをして、その光景を見たかったけど
あいにく、私は背が小さくて見れなかった。
藤田とは、結構差がある。
「チビだから見れねーか」
「うるせー!でか!!」
私からしたら、お前は巨人だぞ!!
50メートルの壁を超えてみろ!!
「俺、巨人じゃないから」
まるで私の思ってる事を分かったかのように、呟く藤田。
お前は、エスパーか!
「俺、エスパーでもねぇーし」
さ、さっきから…すごいなこいつ…
地球外生物かぁ!?
「宇宙人違うし」
「怖いぞ…」
なんで通じるんだ!?
「声に出てる。
しかも、声大きい。来い」
と言われ、手を思いっきり引っ張られる、
体育館の外に連れてかれ、頭を1発殴られる。
まぁ、軽くだけど。
「痛くないけど、痛い」
「どっちなんだよ」
呆れた顔をして、私を睨みつけてくる。

