キスのことや、恋心が混じった少しの喜びと婚約者がいるのにって言う切なさが襲ってきた。
そして、圧倒的にその切なさが勝ってしまい泣きたくなってきた。
でも、それは竜牙の行動により裏切られた。
「おい。お前も入ってこい。」
そう、竜牙が低い声で言った。
初めて聞く声に少し恐怖を覚えた。
「…っ。」
そう気まずそうに入ってきたのは奈津さんだ。
また、何か言われるのかと、竜牙から婚約者と紹介されて別れを切り出されるのかと少し怖かった。
すると、奈津さんの口から出たのは、
「…、ごめんなさいっ…。」
謝罪だった。
「えぇ…?!なんで、奈津さんが謝るの?」
あたしは疑問を口にした。
すると奈津さんが、
「あたしと竜牙婚約者なんかじゃない。」
そう聞いた瞬間驚きなのか昨日の体調不良をひきずってたのかはたはま緊張の意図が切れたたけなのか意識がプツンと切れた。
すなわち意識が飛んだのだ。

