私から彼へ嘘告白の10日間


「なんだよ。奈津(なつ)」

竜牙は冷たく言い放った。

「竜と一緒に帰りたいから待ってたんだよ?」

奈津と言われた子は、竜牙の冷たい言葉に驚きもせず、可愛らしく首を傾げた。

「結と帰るから無理だよ。」

「結?」

竜牙、あたしのこと、結って呼び始めたんだ。なんて考えてると、彼女の大きな目と視線があった。

そして、じろっと彼女はあたしを鋭く睨んだ。その表情にはさっきの可愛らしさのかけらもない。

でも、すぐにパッと表情を変え竜牙の方へ向き直った。