「なんだよ。奈津(なつ)」 竜牙は冷たく言い放った。 「竜と一緒に帰りたいから待ってたんだよ?」 奈津と言われた子は、竜牙の冷たい言葉に驚きもせず、可愛らしく首を傾げた。 「結と帰るから無理だよ。」 「結?」 竜牙、あたしのこと、結って呼び始めたんだ。なんて考えてると、彼女の大きな目と視線があった。 そして、じろっと彼女はあたしを鋭く睨んだ。その表情にはさっきの可愛らしさのかけらもない。 でも、すぐにパッと表情を変え竜牙の方へ向き直った。