「お前、宮谷と付き合ってるのかって。」


「…っ。」



顔を真っ赤にしてなにも言わないあたしに陸は

「そっか。」

と、つぶやいた。


「よし!行くぞ!」

「急がなくてももう、遅刻なんだから!」

また、くだらない話を再開し、しばらくして学校へ着いた。

靴箱の前で陸とはお別れ。


「もう、りく!どうしよ、入りづらいじゃん!」

「ははっ、仕方ねぇよ」

「一人できてた方が早かったよ!!」

「パジャマで走ってた奴がいうことじゃねぇよ。」

余計なことを言う陸を無視してると

「んじゃ、彼氏とお幸せになっ!」

不意にキスを思い出し顔が熱くなる。

「…もう!」

赤い顔を隠すように自分の靴箱に行ったあたしには

「…俺の方が結菜のこと好きに決まってんのに…」

なんて、切なそうに顔を歪め陸が呟いてることなんて気づきやしなかった。