言葉にできないいらだちを壁にぶつける。


『…最低だな。お前。』

そういった時に悲しげに瞳を揺らす結菜におれの決意は折れそうで、それから逃げるかのように俺は屋上を後にした。



ほんとうは最初から気づいていた。


結菜が罰ゲームで告白してきたことくらい知っていたのだ。


あの日、結たちの会話をたまたま廊下を通った俺は聞いてしまっていた。


嘘告白だとしても俺は嬉しかった。


だって、ずっとまえから俺は結にひとめぼれをしてしまっていたから。


ふわふわしているけどギャグ線高くてどこか頼らなくて、そんな結に遠目から惹かれていた。