203号室で暮らそう

「羽織るものだけじゃなくて、シャツも買わなきゃ。何枚かあった方がいいよ」
 
そう自分で言って、ハッとした。
 
陽景くんはいつ――一体いつまで、私の家にいるんだろう。
 
洋服を買い込むってことは、しばらくはいるつもりなんだろうけれども。
 
だけど、それはいつまで――?
 
きっと、永遠ではない。 
 
冬が来る頃? 春になる頃?
 
陽景くんには、陽景くん本来の生活があるんだろうし。
 
1年後……いや、半年後。
 
彼はまだ、私の傍にいるだろうか。