203号室で暮らそう

それは――私にこころを許してくれてるって、ことなのかな?
 
それとも、私はオシャレをして見せる相手に値しないってこと?
 
――そうだよなぁ。
 
こんな、平々凡々で、ショッピングに来るのもノーメイクな私の前で、着飾ったって意味ないよね。

「安いなぁ。Vネックセーター、5150円……パーカー、6720円……」
 
うん、質の良さに比べたら、安いのかもしれない。
 
私は3000円を超える服は、買わない主義だけれども。

「よし、このセーターを買おう。ゆーか、ゆーか、何色がいいと思う? みつくろってよ」
 
彼の言うセーターの色ぞろえは、白・黒・紺だった。