203号室で暮らそう

随分、お金には困ってなさそう。
 
でも、社会人だとしたら、こんなにも長い期間、働くこともしないで私と生活するってことができるのだろうか。
 
全く素性が知れない。
 
あの日、公園でふぬけ状態だったことも、その理由はいまだ解らないし。

「あ、あの店、服売ってるみたいだぜ。ちょっと寄ろう」
 
私があれこれ思案していると、彼は街なかに並ぶ、ひとつの店舗を指さした。
 
そこは、洋服も売っているみたいだけれども、雑貨やら寝具やらまで、幅広く扱っているお店のようだった。
 
あ……。