陽景くんは“そう”と頷くと、その空っぽになってしまったペットボトルを捨てに、キッチンへと向かった。
☆
キンモクセイの香りが、どこからか漂ってくる。
甘くて優しい匂い。
そしてどこかしら、こころをくすぐる。
こんな街中のどこに、キンモクセイの花があるのだろう。
何気なしに私は辺りをキョロキョロとし、そしてそのまま視線は隣を歩く陽景くんへと向いた。
並んで歩くと、改めて思うけど――背、高いなあ。
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キンモクセイの香りが、どこからか漂ってくる。
甘くて優しい匂い。
そしてどこかしら、こころをくすぐる。
こんな街中のどこに、キンモクセイの花があるのだろう。
何気なしに私は辺りをキョロキョロとし、そしてそのまま視線は隣を歩く陽景くんへと向いた。
並んで歩くと、改めて思うけど――背、高いなあ。



