203号室で暮らそう

私は金網の途切れている入り口から、火薬の匂いのする公園へ入っていった。
 
すると、4、5人集まってる小学校高学年くらいの子どものうちのひとりが、私に気づき近寄ってきた。

「おねーさん! どうしよう。おにーさんが……」
 
小パニックになっている。
 
それでも彼は、あたふたと状況を説明してくれる。

「ベンチで寝てたおにーさんに、ロケット花火が当たっちゃったの」