203号室で暮らそう

なめらかではなく、ところどころじゃがいもの塊が残っていて、味は薄いけれど、まあまあだ。
 
そして、ご飯。
 
えーと、これは見るからにびちょびちょで、お粥状態だった。

「もし、陽景くん? これは炊飯器で炊いたのかな?」

「うん。それは本当に失敗だったかな。水の分量が解らなくて……目分量って、難しいな」

め……目分量?

「水の分量はね、炊飯ジャーの内側にメモリがあるんだよ。それに合わせるの」

「そうなんだ」

「私の場合は、右手の中指の第一関節で計ってるけど。……ところで、お米研ぐぐらいはしたよね……?」