203号室で暮らそう

「木綿花っ! ここっ!」
 
夏休み明けの、懐かしい面々が、次の講義室で待っていた。
 
次の講義は、学部としての大人数でやる授業だ。
 
300人ほどは入る階段教室で、そのちょうど真ん中らへんに席を陣取っていた友人たち。
 
細くて美人なユリちゃん。
 
小柄で茶髪のみっきー。
 
ストレートで長い黒髪の柚実(よしみ)。
 
元気いっぱいの柚実が、私の姿を見つけるなり、大きく手を振った。

「久しぶり。みんな」