「それにしてもどうして転んだの? スピードの出しすぎじゃない? 大丈夫?」
 
尻もちをついたままのハルキくんは、両手を高く掲げて言った。

「手放し運転の競争してたの」
 
と、無邪気に笑った。

「あははは。危ないよ」
 
ハルキくんの無邪気な笑顔につられて、思わず私も笑いがこぼれた。

「気をつけなよ」
 
私は地べたに座ったままのハルキくんを起こそうとして、手を差し伸べようとした時だった。 

「……」
 
一瞬、目を疑うような光景だった。