203号室で暮らそう

私たちはゆっくりと歩いていた。
 
民家の垣根。
 
空き地の雑草。 
 
アパートの干してある洗濯物……。
 
夕焼けのセピア色のベールに覆われているそんな風景を、私は穏やかな気持ちで見ていた。
 
と、すると。

「ハルキ、危ない!」