203号室で暮らそう

「少し、待っててください。買いだめしたお肉、さっと下ごしらえをつけて冷凍しちゃいますから。そしたらちょっと、外の空気でも吸いに行きましょう」
 
私が言葉を発しても、お兄さんは相変わらずうんともすんとも言わなかった。
 
私はリビングからキッチンへ移動し、今日、カレーで使用する以外のお肉に下味をつけてフリーザーバッグに入れて冷凍庫へ入れると、再び彼の元へ戻った。
 
私が近寄ってもぴくりとも動かない彼。 

「――多少散歩して、お腹空かせた方が、ご飯美味しいですよ。今晩はカレーです。食べますよね?」