203号室で暮らそう

よし、元気出そう。

「――あれ、まだいたんですか」
 
バイトも終わり、たくさんのお肉を引っさげて帰宅した私は、ベッドに横たわっているお兄さんに声をかけた。
 
まだ魂が抜けた状態だ。
 
仰向けにごろんと横になり、うつろな目で天井を見上げている。
 
まあ、大学生なら、夏休みだし。
 
帰る必要性がないんだったら、ここにいるのは別に構わないけど。
 
このお兄さん、もしかしたら。
 
独りでいるのが、嫌なのかな、なんて。
 
ちらっと思ったりした。
 
何か、あったんだろうな。
 
人生は色々と大変だ。