203号室で暮らそう

びっくりした。
 
よっぽど疲れが溜まっていたのかな。……心労?
 
彼のその長い睫毛を見て、安らかな表情の寝顔だなと思うと。
 
なんだか安らぎを得て。
 
いつしか私も、お兄さんと一緒に、ベッドで眠りこけていたんだ。
 
お兄さんの前でだと、無防備でいられる。
 
――もっとも、フヌケ状態の彼相手だから、それに、私なんて女としての自覚もないし、女として見られもしないだろうから。
 
ほんと、仲のよい兄妹みたいに、寄り添って眠りについた。