203号室で暮らそう

私は、ぼんやりしている彼をベッドに誘った。
 
別にイヤラシイ意味ではなく、ベランダの窓の傍に、ベッドが横付けされているからだ。
 
窓を大きく開け放すと、そこには煌めく星空が見える

「どうです? 綺麗ですよ。空っていいんです。何もかも忘れさせてくれるし、色んなことを教えてくれます」
 
私の言葉に、お兄さんはゆっくりと立ち、ベッドの上であぐらをかいている私の隣に、膝を抱えて座った。