203号室で暮らそう

平日の昼間から、公園にずっといるだなんて、社会人にはできないんじゃないかな。
 
なんて、ただの憶測だけれども。
 
食べ終えた私たちは、一緒にごちそうさまをした。
 
食器を片付け、キッチンから部屋に戻ったところ、お兄さんはまだぼーっとしたまま、ただカーペットの上に座っていた。
 
……何か、あったんだろうな、きっと。
 
この、ぼやっとして、口も利かないだなんて、彼本来の性格じゃないなんじゃないかと思う。 
 
――私も、そうだった。
 
一時期、そんな時があった。
 
圧倒的な喪失感……その前で自分を律することなんて中々できなかった。
 
お兄さんは今、そんな状態なんじゃないかって。
 
そう思うんだ。