☆
「ハナドゥール?」
私たちは、ひとしきり再会を噛み締めあったあと、陽景くんの先導で駅近くの裏路地にある、大きな白い洋館のお店へとやってきた。
洗練されたデザインで、筆記体でhanadourと看板にかかれてあった。
なんだろう……洋食店のようだけど……。
「ここ、入ろう、ゆーか」
「え。でも、何だか高そう」
「大丈夫」
私の心配をよそに、彼はお店の白いドアを開いた。
私を先に入るように促してくれる。おずおずと従った。
「いらっしゃいま……あら」
出迎えてくれた、黒いパンツルックのウエイトレスさんが、陽景くんと私を見て、にこにこと笑みをたたえる。



