203号室で暮らそう

「会いたかった……」
 
彼は、私の頭の上から、熱い声で声を振り絞った。

「急に、黙っていなくなるんだもん。陽景くん、ひどいよぉ」
 
私は、彼の背に回した手に、ぎゅっと力を入れた。

「ごめん……。俺がゆーかを思う気持ちなんて、ゆーかにとっては、迷惑なんじゃないかって思って」

「そんなわけないじゃん」

「ゆーかを好きだと気づいた時から、どうしたらいいのか解らなくなって……。結局離れる形にしちゃった。……ごめん」

ゆーかを、好き……。