『明日も、バイトなの?』

「ううん。明日は、お休み……ヒック、ヒック」

『……明日。梅木駅。来れるか? 夕方6時』

「うん。うん。行く――」

『待ってる。俺、ゆーかに会いたい。凄く、会いたい』
 
とても穏やかだけれども、熱のこもった声。

「会えるの? 会えるのね? 本当に、会えるのね?」
 
私は泣き笑いで、同じ言葉を繰り返していた。
 
隣で柚実が、静かに微笑みをたたえながら、一升瓶をラッパ飲みしていた――。