203号室で暮らそう

飲み口から口を離すと……くらっと、した。

「おー、やるじゃん」

「木綿花ちゃん、次、何飲む?」

「あ、ビールでいいです」
 
私の発した語尾を掻き消すかのように、ギャハハと大きな声が飛んできた。
 
部屋の真ん中で、友人らに囲まれてバカ笑いしている、柚実の声だった
 
手には、日本酒の一升瓶……。
 
それでも彼女は、いつもと大して変わらない。
 
酔っているようには見えなかった。
 
本当、ザル……。