203号室で暮らそう

「いえ、普通です」

「だけど、目がとろんとしてるよ。かわいーの」
 
もうひとり、細目の別の男子が寄ってきて、私の頬を、つん、とつついた。
 
ぎゃっ。
 
私は思わず、つつかれた頬に、手をあてがった。

「イエーイ。かんぱーい」
 
そこへ、日本酒のワンカップを片手にした、大柄の男が割り入ってきた。

「おう、ツヨシ、かんぱーい。みんな、かんぱーい」

「カンパーイ!」

「か……乾杯……」
 
周りにいた男子たちの盛り上がりにつられて、私もおずおずとみんなの酒缶に、ビール缶をぶつけた。