203号室で暮らそう

などと、今後の生活を暗い展望で望みながら歩いていると。
 
私の脚は、自然とあの公園へと向かっていた。
 
陽景くんと、初めて出会った、あの公園――。
 
夢を見て彷徨うようにして辿り着いた公園には、誰もいなかった。
 
自転車を乗り回す小学生の姿も、野良犬でさえ、見受けられなかった。
 
私は、陽景くんが昔寝そべっていたベンチに、腰を下ろした。